女性の薄毛は本当! 生涯を通じて頭髪がふさふさである女性は、世界の女性人口の45％にも満たないそうです。
病気やストレス、ホルモンバランスの乱れなど、女性の薄毛の要因はさまざまです。今回は、女性の薄毛の種類、原因、症状、治療法についてご紹介します。
女性の抜け毛の種類
- 男性型脱毛症
もしあなたが脱毛の家族歴があり、異常な量の抜け毛に気づき始めたなら、あなたは男性型脱毛症である可能性が高いです。女性型脱毛症とも呼ばれるこの病気は、遺伝によって引き起こされ、女性における脱毛の最も大きな原因となっています。
12歳から40歳くらいまでの間に、過剰な抜け毛に気づくことがあります。また、頭皮の真ん中あたりから髪が抜け始めることに気づかれるでしょう。
- 円形脱毛症
自己免疫疾患である円形脱毛症は、頭皮の毛がポツポツと抜けていく病気です。これが進行して、全体脱毛症や普遍脱毛症になることもあります。全体脱毛症は、頭皮全体が禿げます。全身脱毛症はまれで、全身に影響を及ぼします。
- 瘢痕性脱毛症
瘢痕性脱毛症は、身体の免疫系が毛包を攻撃することで、新しい毛髪の成長を阻害する疾患です。この症状は、不可逆的な脱毛をもたらす可能性があります。髪が抜けると、瘢痕組織と置き換わります。
- 外傷性脱毛症
これは、髪にダメージを与えたり、壊したりする可能性のあるスタイリング製品によって、髪にトラウマができたときに起こります。熱を発生させる製品、熱いクシ、特定の化学薬品は、過度の乾燥と縮れを引き起こします。
頭皮に必要な油分や髪に必要な水分を奪ってしまう可能性があります。髪の軸が傷むと、髪が折れやすくなります。
女性の薄毛の兆候
- 頭頂部が全体的に薄くなる。男性はハゲに気づくことが多く、女性は密度に差が出る。
- ハゲの斑点が見られる場合もあります。
- 最近、心に傷を負った方は、シャワーの時やブラッシングの時に、髪が束になって落ちてくることに気づくかもしれません。
- また、化学療法のようないくつかの医療行為の後に、完全な脱毛が見られることがあります。
女性の薄毛の原因とは？
- 医学的条件
ホジキン病からセロラマ、アジソン病まで、いくつかの病状が女性の脱毛の原因となることがあります。最も一般的な疾患を以下に列挙します。
A. 甲状腺機能低下症
甲状腺機能低下症とは、甲状腺からの甲状腺ホルモンが十分に分泌されない状態のことをいいます。甲状腺ホルモンは、体が使うエネルギーの量を調節するのに役立ちます。甲状腺ホルモンのレベルが変化すると、新しい毛包や毛髪の成長など、体内の他のプロセスに影響を与える可能性があります。
B. 下垂体機能低下症
脳下垂体は脳の中にあり、体内で生成されるほぼすべてのホルモンを制御しています。分泌が乱れると、髪の成長を含む体のさまざまなプロセスに影響を与えます。
C. 橋本病
この病気は、免疫系による甲状腺への攻撃が特徴です。甲状腺ホルモンの分泌に影響を及ぼし、脱毛が起こることもあります。
D. 全身性エリテマトーデス
これも自己免疫疾患の一つで、体が免疫系反応を引き起こし、異物と認識した健康な細胞を攻撃します。
E. 扁平苔癬
自己免疫疾患であり、通常、傷口の周囲に隆起した隆起が生じます。時には口の中まで侵されることもあります。扁平苔癬は非常に痒く、常に痒みがあるため、脱毛や傷跡が残ることがあります。
F. 頭部白癬
頭皮を侵す真菌感染症で、円形でかゆみのある斑点ができ、伝染することもある。初期の段階で対処しないと、脱毛の原因になることもあります。
G.セリアック病
グルテンは、いくつかの食品に含まれるタンパク質です。セリアック病は、グルテンが腸の損傷を誘発する病気です。その結果、栄養失調になり、髪の成長にも影響を与える可能性があります。
ヒント：症状を治療する前に、根本的な原因を解決することが大切です。もし、これらの症状が原因で抜け毛がある場合は、まずその症状を治療するようにしましょう。
- ホルモンのアンバランス
髪の成長を左右するのは、ホルモンが大きな役割を担っています。女性は一生のうちに何度もホルモンの変化を経験します。これらのホルモンが変動することで、抜け毛が発生することがあります。
テストステロンは男性ホルモンの一種で、女性の体内にも存在します。このホルモンの濃度が高いと、抜け毛が多くなります。ジヒドロテストステロンは、テストステロンの誘導体であり、抜け毛の主な原因となっています。毛包の受容体に結合し、髪の成長プロセスを妨害します。
A. 産後の抜け毛
これは、出産後に女性ホルモンであるエストロゲンとプロゲステロンが減少するために起こります。これらのホルモンが減少するのは、体が元に戻ろうと準備しているためです。このとき、急に毛束が大きく抜けることがあります。
B. 更年期障害
更年期の女性では、エストロゲンとプロゲステロンのホルモンの減少により、抜け毛が発生します。出産適齢期が終わりつつあるため、体がこれらのホルモンをそれほど多く必要としないのです。
C. 多嚢胞性卵巣症候群
多嚢胞性卵巣症候群は、女性のアンドロゲンレベルが高くなりがちな状態です。 抜け毛の原因もこれかもしれません。
- ストレス
ストレスは、男女ともに抜け毛を誘発する可能性があります。精神的、肉体的にストレスを感じるようなことがあれば、毛包の生成など特定のプロセスを遅らせる可能性があります。
退行性毛髪症
これは、体が何かにトラウマを抱えたときに起こる、一時的な抜け毛の状態です。人生における喪失感や、出産のような顕著な変化など、ストレスの多い出来事かもしれません。
これは、髪のライフサイクルを乱し、それを遅くし、あなたが髪の損失を経験する原因となる可能性があります 。もし、薄毛に気づいたら、それはストレスを受けすぎている可能性があります。ストレスの多い出来事の後、抜け毛のレベルの上昇に3ヶ月の遅れを感じることもあります。
高熱、ストレス、感染症、食事も毛細血管拡張症の原因になります。いくつかの薬も同様に毛細血管拡張症の抜け毛の原因となる可能性があります。レチノイド、抗うつ剤、βブロッカー、非ステロイド性抗炎症薬（NSAIDS）などがそれにあたります。
- ビタミン欠乏症
いくつかのビタミンやミネラルの不足は、女性の脱毛に寄与する可能性があります 。ビタミンDレベルの低さは、男女の円形脱毛症に関連することを示唆する研究があります。また、鉄分やビタミンBが不足している場合、抜け毛が発生する可能性があることを示唆する研究結果もあります。
もし、あなたの抜け毛がこれらの欠乏と関連していると思われる場合は、これらのビタミンやミネラルを多く含む食品を摂取してみるか、医師の診断を受けてサプリメントを購入するとよいでしょう。
女性の薄毛に対する治療法
- ミノキシジル
ミノキシジルは、泡などの液体状になっています。頭皮に直接塗布する必要があります。ミノキシジルは、通常、脱毛症の患者さんに処方されます。改善を実感するには、数ヶ月間使い続けなければならないかもしれません。 - ホルモン補充療法
ホルモン補充は、男性型脱毛症に悩む方の選択肢の一つです。この方法は、女性ホルモンを供給し、女性の体内のレベルを上げることに焦点を当てます。これにより、女性の発毛を促進することができるかもしれません。 - トレチノイン外用剤
医師によりミノキシジルとの併用が推奨される場合があります。トレチノイン外用薬は、時に抜け毛を悪化させることがあります。そのため、医師が同じものを勧めた場合は、フォローアップすることが重要です。 - 副腎皮質ホルモン剤
これらの薬は、局所的に塗布したり、経口摂取したりすることもできます。しかし、最も効果的な治療法は、頭皮のさまざまな部分に注射してもらうことです。数週間後に発毛を実感できるかもしれません。治療は4～6週間ごとに繰り返すことができます。
副腎皮質ステロイドは、時に皮膚の萎縮や頭皮の菲薄化をもたらすことがあります。もし、これらの副作用が見られる場合は、医師に相談して代替案を検討してください。
- 手術
外用薬や内服薬で薄毛を改善しても改善が見られない場合は、様々な侵襲的な方法について医師に相談することも可能です。自毛植毛や毛髪再生も選択肢になり得ます。
ただし、自毛植毛は女性よりも男性に多く見られます。女性の脱毛は、男性のそれほど目立たず、目立つものではないからです。外科的な方法に踏み切る前に、そのリスクについて医師に相談してください。
まとめ
ホルモンの変化、ストレス、遺伝子が、女性の脱毛の原因となります。また、ホルモンの乱れを伴う特定の病状も、脱毛の原因となることがあります。しかし、外用薬、内服薬、侵襲的な治療法があり、髪の成長を促し、そのような状態の改善に役立てることができます。症状を治療する前に、根本的な原因に対処することが常に推奨されています。医学的な問題がある場合は、その問題に対処することが、抜け毛を減らすのに役立つかもしれません。