女性や子どもの「円形脱毛症」の対処法、上手な隠し方について

突然髪が抜け、その跡がコインのように丸く見える「円形脱毛症」。これは男性に多い老人性脱毛症とは異なり、女性や幼児にも発症することがあります。実際、男性よりも女性の方がやや多く、4分の1は乳幼児を含む15歳以下の子どもです。
それでは、ハゲの原因、年齢や性別に関係なく誰にでも起こりうること、そしてその対処法について探っていきましょう。

ハゲの主な症状や原因について

パッチリハゲの症状は人によって様々ですが、大きく分けると以下のようになります。

  • 通常、シングルパッチ-1カ所の脱毛です。
  • 多発性脱毛症:複数の部位で脱毛が起こる。
  • 全頭型……すべての毛髪が失われる。
  • 糸状脱毛症……毛が抜ける。 円形ではなく、細長く波打つように毛が抜ける。
  • 全身型……髪の毛だけでなく、体中の毛が抜ける。

以上が、円形脱毛症の主な5つのタイプです。通常、円形脱毛症と呼ばれるものは、単発型であることがほとんどです。
生え際が薄くなったり、髪全体が少しずつ抜けていく薄毛とは異なり、突然髪が抜けて皮膚が円形に露出したり、健康な髪が急激に抜けていくのが円形脱毛症の大きな特徴です。

円形脱毛症が発症するきっかけはわかっていません。しかし、最近の研究では、自己免疫疾患との関連性が指摘されています。

人間の体には、体内に侵入した有害物質を攻撃して排除する「免疫システム」が備わっています。しかし、この免疫機能に異常が生じると、自分の無害な細胞や組織を異物と勘違いして攻撃してしまう「自己免疫疾患」を引き起こします。そのため、毛包が異物と認識され、攻撃されてしまうのです。毛包の細胞が傷つき弱くなることで、抜け毛が発生します。

その他、遺伝、アトピー性疾患(気管支喘息、アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎)、ストレスなどが挙げられます。円形脱毛症の主な原因はストレスだと思われている方も多いかもしれませんが、これとの関連性は証明されていません。

また、出産後のホルモンの変化も円形脱毛症の原因となることがあります。女性ホルモンの分泌量は妊娠中に増え、産後は急激に減ります。女性ホルモンは髪の成長を促しますが、減少すると抜け毛につながるため、産後に抜け毛が増えるのはこのためです。ヘアサイクルの関係で、産後2ヶ月目から抜け毛が始まり、安定するまでに数ヶ月から1年以上かかる女性もいます。産後の抜け毛の症状のひとつに円形脱毛症がありますが、これは一定の期間が経過すると安定します。

皮膚科での治療はじっくりと慎重に

通常、洗髪時を中心に、毎日50~150本の毛が抜けます。秋になると抜け毛の本数が増え、場合によっては倍増することもありますが、これは生理現象であり、ストレスを感じる必要はないでしょう。一方、円形脱毛症では、季節に関係なく毛がどんどん抜けていき、最終的には地肌が露出してしまいます。また、抜ける毛の多くは、毛根が細く尖っているのが特徴的です。では、円形脱毛症だとわかったら、どうすればいいのでしょうか?

できるだけ早く皮膚科や専門医を受診する

円形脱毛症だと気づいたら、早めに病院やクリニックを受診することを考えましょう。皮膚の病気とされているため、皮膚科が専門医となります。髪と爪の構造が似ているため、円形脱毛症の方は爪に横筋や小さな凹みが多く見られます。これらの部分をチェックし、問題があると感じたら皮膚科を受診することが大切です。
治療には通常、ステロイド軟膏を使用します。症状によっては、抗アレルギー剤やステロイド剤を経口投与したり、患部に直接注射することもあります。甲状腺疾患もハゲを合併する可能性のある自己免疫疾患の一つですので、甲状腺機能検査をお勧めすることがあります。どのような治療を行うかについては、専門医と詳しく相談されることをお勧めします。

継続的な治療が必要です。

髪には生え変わりのサイクルがあるため、治療してもすぐに変化がない場合があります。効果がないからといって治療を中断せず、継続することが大切です。脱毛部位の大きさにもよりますが、早ければ3~6カ月で治療が完了する場合もあります。

ストレスの解消に

円形脱毛症とストレスの関係は解明されていませんが、過度なストレスで「自律神経」のバランスが崩れると、頭皮の血行が悪くなりやすく、抜け毛が増えることがあります。ストレスを感じたら、ストレスを解消する方法を探しましょう。適度な運動や没頭できる趣味は、ストレス解消に役立ちます。
また、円形脱毛症であること自体が、精神的なストレスになることもあります。医師に相談することで、このストレスを解消することができるかもしれませんし、心配で仕事や勉強に影響がある場合は、早めに病院やクリニックに行くようにしましょう。

ライフスタイルの改善

病院への受診とともに、日々の生活習慣を改善することが大切です。生活習慣が乱れると、自律神経のバランスも乱れ、睡眠時間の確保や疲労回復が見込めなくなり、心身ともにストレスを感じることがあります。生活習慣が乱れていると感じる人は、規則正しい生活を送るよう心がける必要があります。

円形脱毛症は急速に進行することがあります。軽度の脱毛症であれば自然治癒することも珍しくありませんが、適切な初期治療を行うことで、多発性脱毛症や全ハゲに至る可能性を低くすることができます。また、洗髪時に髪が抜けるのを恐れて洗髪しないことは、頭皮の状態を悪化させ、円形脱毛症を悪化させる原因になります。自己判断は避け、専門医に相談するようにしましょう。

脱毛箇所を上手に隠す方法

突然の髪の喪失はショックなものです。落ち込むのは当然ですが、学校や職場など外出を控えるのは難しいという方も多いのではないでしょうか。抜け毛を人に見られることによるストレスや不安を軽減するために、上手に隠すコツをご紹介します。

自毛でヘアアレンジをする

まずは、自分の髪でヘアアレンジをしてみてください。学校に通っているお子さんの場合は、校則に従ったヘアアレンジで対応することも必要です。簡単な1本結びの髪なら、抜け毛の部分をカバーする高さを探して、崩れないようにしっかり結びましょう。同じヘアスタイルで髪を引っ張るとストレスになって切れやすくなるので、帰宅したら髪を下ろしたり、休日はヘアバンドでカバーしましょう。ボビーピンを使ってアレンジするのもおすすめです。頭頂部周辺を重点的に隠したい場合は、お団子ヘアスタイルもおすすめです。男性の場合は、少し髪を伸ばしてフルバックスタイルにしたり、髪型を目立たないようにカットしてもらうと隠しやすくなります。

スカーフ、ヘアバンド、大きな布の帯

スカーフなどの大きな布は、頭全体を包むように使うのが一般的ですが、アレンジの仕方はさまざまです。アフリカの女性のファッションからヒントを得て、カラフルな布を使ったおしゃれをするのもよいでしょう。様々なデザインのブロードクロスのヘアリボンが販売されているので、自分のファッションに合わせてアレンジしてみるのもいいですね。

ウィッグ(かつら)

医療用ウィッグも充実しています。また、患部を気にすることなく登校できるように、子ども向けに作られたウィッグもあります。ウィッグには、装着するタイプやピンで留めるタイプなどがあります。また、男の子用のウィッグもあるので、ヘアアレンジを隠すのが難しい男の子も試してみてはいかがでしょうか。

付属の髪

また、脱毛部分の皮膚に直接装着するウィッグもあります。髪に自然になじむので、職場や学校でも使うことができます。髪に少し長さがあると、より馴染みやすくなります。

髪のベース

抜け毛の範囲が小さい場合は、地肌に塗るタイプのヘアファンデーションを試してみるのもよいでしょう。パウダーパフを使って、髪の色に近いファンデーションを直接地肌に塗り、なじませます。メイク落としのように使えるので、シャンプーで洗い流すことも可能です。

家族や親しい友人に、きちんと隠せているか確認してもらえると、自信が持てるでしょう。また、脱毛症を隠しやすいヘアスタイルを美容師さんにアドバイスしてもらうのもよいでしょう。

女性の薄毛が深刻な場合、どうすればよいですか?

おわりに

円形脱毛症は強い痛みやかゆみを伴わないため、洗髪中に感じたり、美容院で指摘されたりして初めて脱毛を自覚するケースが多いようです。場合によっては、ハゲが再発することもあります。人によっては、繰り返すことによる心理的負担は計り知れないものがあります。早めに医師やクリニックを受診して治療を受け、日常生活で患部をしっかりカバーしながら、焦らず症状に対処することが大切です。

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